パスワード忘れの問い合わせを削減するには
公開日: |更新日:
社員からの「パスワードを忘れてしまった」「ログインできない」といった問い合わせは、情シスや管理部門にとって身近な業務のひとつです。1件あたりの対応時間は短くても、件数が増えると本来対応すべき業務を圧迫してしまうことがあります。
この記事では、パスワード忘れの問い合わせが増える主な原因や放置するリスク、問い合わせを削減するための対策について解説します。
パスワード忘れの問い合わせが増える主な原因
パスワード忘れの問い合わせは、社員個人の不注意だけで発生するものではありません。多くの場合、複数のシステムを個別に利用していることやログイン管理の仕組みが複雑になっていることが背景にあります。
たとえば、勤怠管理システム、経費精算システム、グループウェア、ファイル共有サービス、チャットツールなど、それぞれに異なるID・パスワードが設定されている場合、社員は複数のログイン情報を覚えなければなりません。利用頻度の低いシステムほど、いざ使おうとしたときにパスワードを思い出せず、問い合わせにつながりやすくなります。
また、パスワードの文字数や使用できる記号、変更頻度などのルールがシステムごとに異なると社員にとってはさらに管理が難しくなります。ログイン画面やパスワードリセットの手順がサービスごとに違う場合も「どこから再設定すればよいかわからない」「どのアカウントでログインすればよいかわからない」といった問い合わせが発生しやすくなります。
パスワード忘れの問い合わせを減らすには、社員に注意を促すだけではなく、ログイン管理の仕組みそのものを見直すことが大切です。
パスワード忘れの問い合わせを放置するリスク
情シス・管理部門の対応工数が増える
パスワード忘れの問い合わせが多いと、情シスや管理部門はその都度、本人確認や再設定対応、利用方法の案内を行う必要があります。1件あたりの対応は短時間でも、毎日複数件発生すれば積み重なった対応工数は大きくなります。
本来であればシステム改善やセキュリティ対策、社内IT環境の整備に時間を使いたいところですが、ログイン関連の問い合わせ対応に追われることで、優先度の高い業務に手が回りにくくなってしまいます。
社員の業務が一時的に止まる
パスワードを忘れてシステムにログインできない状態になると、社員自身の業務も止まってしまいます。勤怠入力や経費申請、資料確認、顧客対応など、必要なシステムにアクセスできなければ、業務の進行に支障が出ることがあります。
特に、月末月初や締め処理の時期、急ぎの対応が必要な場面では、ログインできないことが業務全体の遅れにつながりかねません。問い合わせ対応を待つ時間が発生することも、社員にとっては負担になります。
安易なパスワード設定や使い回しにつながる
パスワード忘れを避けようとして、覚えやすい単純なパスワードを設定したり、複数のサービスで同じパスワードを使い回したりするケースもあります。こうした運用は社員にとっては一時的に便利でも、セキュリティ上のリスクを高める可能性があります。
また、パスワードをメモに残したり、共有ファイルに記載したりするような運用が発生すると、第三者にログイン情報が知られるリスクもあります。問い合わせ削減だけでなく、セキュリティの観点からもパスワード管理の見直しは重要です。
入退社・異動時のアカウント管理が複雑になる
システムごとにアカウントが分かれていると、入社時のアカウント発行や退職時のアカウント削除、部署異動に伴う権限変更も煩雑になりやすくなります。
パスワード忘れの問い合わせが多い環境では、そもそも誰がどのシステムを利用しているのか、どのアカウントが有効なのかを把握しにくくなっている場合もあります。退職者のアカウントが残ってしまったり、不要な権限が付与されたままになったりするとセキュリティ管理上の課題にもつながります。
問い合わせを削減するための対策
パスワード忘れの問い合わせを減らすためには、現在の運用を見直し、社員が迷わずログインできる環境を整えることが大切です。
パスワードポリシーを見直す
パスワードの安全性を保つためには一定のルールが必要です。しかし、複雑すぎるルールや頻繁な変更要求は、社員にとって負担になり、かえってパスワード忘れや使い回しを招くことがあります。
たとえば、システムごとに文字数や記号の条件が異なっていたり、短い周期で変更を求めたりすると社員はパスワードを覚えにくくなります。その結果、メモに残す、似たようなパスワードを使い回すといった行動につながる可能性があります。
パスワードポリシーを見直す際は、セキュリティを保ちながら社員が無理なく運用できるルールになっているかを確認しましょう。複雑さだけを重視するのではなく、実際の使いやすさも考慮することが重要です。
セルフパスワードリセットを導入する
セルフパスワードリセットとは、社員自身がパスワードを再設定できる仕組みのことです。本人確認の手順をあらかじめ設定しておけば、情シスや管理部門に問い合わせなくても社員が自分でパスワードを再発行できます。特にログイン関連の問い合わせが多い企業では、一次対応の負担を軽減する方法として有効です。
ただし、利用するシステムごとにリセット方法が異なる場合は社員が手順に迷う可能性があります。セルフパスワードリセットを導入する場合も、どこから再設定するのか、どのような本人確認が必要なのかをわかりやすく案内しておくことが大切です。
FAQや社内マニュアルを整備する
よくある問い合わせをFAQや社内マニュアルとしてまとめておくことも、問い合わせ削減に役立ちます。ログインできないときの確認手順やパスワードを忘れた場合の対応方法、問い合わせ前に確認すべき項目を整理しておくと社員が自分で解決しやすくなります。
マニュアルを作成する際は、専門用語をできるだけ避け、画面のスクリーンショットや手順を入れると理解しやすくなります。ITに詳しくない社員でも迷わず操作できるようにすることが大切です。
また、FAQやマニュアルは作って終わりではありません。システムの画面やログイン手順が変わった場合は内容を更新する必要があります。古い情報が残っていると問い合わせが増える原因になるため、定期的な見直しも行いましょう。
問い合わせ窓口と対応フローを整理する
ログインできない場合にどこへ問い合わせればよいのかがわかりにくいと問い合わせが複数の部署に分散したり、対応が遅れたりすることがあります。社員が迷わず相談できるよう、問い合わせ窓口を明確にしておくことが大切です。
また、問い合わせを受けた後の対応フローも整理しておくと対応のばらつきを防げます。本人確認の方法、パスワード再設定の手順、管理者が確認すべき項目、対応履歴の残し方などを決めておくことでスムーズな対応につながります。
問い合わせ対応が属人化している場合、担当者によって対応内容や確認手順が変わってしまうことも⋯。誰が対応しても一定の品質で処理できるよう、フローを標準化しておきましょう。
多要素認証を活用する
多要素認証とは、パスワードに加えてスマートフォンアプリの承認やワンタイムパスワード、生体認証など、複数の要素で本人確認を行う仕組みです。パスワードだけに依存しないログイン環境を作ることで不正アクセス対策にもつながります。
パスワード忘れの問い合わせ削減という観点では、多要素認証だけですべての課題を解決できるわけではありません。しかし、パスワード管理の見直しとあわせて導入することで、利便性とセキュリティのバランスを取りやすくなります。
一方で、認証手順が増えることで、初回設定や機種変更時に問い合わせが発生する場合もあります。導入する際は、社員が使いやすい認証方法を選び、設定手順をわかりやすく案内することが大切です。
FAQの整備やセルフパスワードリセットの導入は、パスワード忘れの問い合わせ削減に役立ちます。ただし、複数のシステムに個別ログインしている状態では、社員が覚えるID・パスワードの数は多いままです。そのため、根本的に問い合わせを減らしたい場合は、ログイン管理そのものを一元化する方法も検討したいところです。そこで有効な選択肢がSSO(シングルサインオン)です。
SSOとは、一度の認証で複数の業務システムやクラウドサービスにログインできるようにする仕組みです。システムごとに個別のID・パスワードを入力する必要が少なくなるため、社員が覚えるログイン情報を根本的に減らすことが可能。情シスや管理部門にとっても、パスワード忘れやログイン方法に関する問い合わせを減らしやすくなり、認証状況の管理もしやすくなります。
また、ログイン画面や認証手順を統一しやすくなる点もメリットです。システムごとにログイン方法が異なると、「どこからログインすればよいかわからない」「このサービスのパスワードだけ思い出せない」といった問い合わせが発生しやすくなります。SSOを活用すれば、ログイン導線を整理し、社員が迷う場面を減らせます。
無料トライアル×5,000種以上のアプリ・サービスに対応
シングルサインオン(SSO)
製品で比較
2024年4月19日時点でITreviewで「シングルサインオン」を扱っていると掲載されており、製品の公式HPが確認できた35社の中から、それぞれ「オンプレでスモールスタートでき、既存環境の変更をせずに使用できる唯一の企業」「今回調査を行ったクラウドシステムの中で、自社システムの導入社数実績が最も多かった企業(※編集チーム調べ)」「無料プランがあり、既存環境の変更をせずに使用できる唯一の企業」をそれぞれ選出。対応アプリ数と導入・サポート、費用で比較しました。
※横スクロールします。
|
情報を外に出したくない セキュリティ重視の企業なら AccessMatrix
|
全世界に支社がある グローバル企業なら Okta |
トライアルから始めたい スタートアップ・ 中小企業なら トラスト・ログイン |
|
| 対応アプリ・ サービス |
全てのアプリ
デスクトップアプリ webアプリ(saml対応) webアプリ(saml非対応)
|
7,000種以上
デスクトップアプリ webアプリ(saml対応) webアプリ(saml非対応)
|
5,000種以上
デスクトップアプリ webアプリ(saml対応) webアプリ(saml非対応)
|
|---|---|---|---|
| 導入・ サポート |
|
|
|
| 料金 |
380円/ユーザー/月額
|
要問合せ
一般的な利用例は、月額2ドル~
|
330円/ID/月額
|
| おすすめの業界 |
|
|
|
※選定条件:2024年4月19日時点でITreviewで「シングルサインオン」を扱っていると掲載されており、製品の公式HPが確認できた35社の中で.、下記の条件に当てはまるものをピックアップ。
・AccessMatrix USO
オンプレでスモールスタートでき、既存環境の変更をせずに使用できる唯一の企業
・Okta
今回調査を行った会社の中で、シングルサインオンを含む自社提供サービスを導入している会社の数が18,000社とNo.1
・GMOトラスト・ログイン
無料プランがあり、既存環境の変更をせずに使用できる唯一の企業
よく読まれているページ